4D Write Pro : PDF/A形式での書き出しが可能になりました!

PDFフォーマットは今や定番のフォーマットであり、ここ最近のバージョンにおいては 4D Write Proドキュメントの書き出しに利用できるようになっています。4D v20 R3 以降、4D Write Pro ドキュメントを PDF にエクスポートする際にオプションとして PDF/Aフォーマットが利用できるようになり、近い将来、電子請求書など、他の可能性への扉を開くことになるでしょう。しかし、その前に、PDF/A と従来の PDFフォーマットとの違い (良い違いも悪い違いも含め) に注目してみましょう。

HDI: 4D Write Pro: PDF/A への書き出し

PDF、そのフォーマットの歴史について

PDFフォーマットは 90年代に作成され、画像や動画、入力可能な部分、自動計算 (合計など)、インデックス、メタデータなどのサポートにより、より高い可搬性と豊かなコンテンツを確保するために、時代とともに進化し続けてきました (詳細はwikipedia を参照、英語版のページはこちら)。

PDF/A は PDF の進化版か?

この答えはイエスでもありノーでもあります。PDF/Aフォーマットは、主に文書のアーカイブを目的としており、今後数十年にわたって文書の信頼性と可読性を保証するものです。そのため、PDF/A は単純な PDF とは異なり、多くの制限や制約があります。例えば、オーディオやビデオのコンテンツは禁止されており、フォントはすべて埋め込む必要があり、外部文書への参照は禁止されています。

フォーマット自体にもいくつかのバージョンがあり、可能性の幅を広げるためにすべて ISO標準化されています。例えば、PDF/A-2 は JPEG 2000 と OpenTypeフォントに対応しています。PDF/A-3 では、あとで電子請求書に使用するための CSV や XML などの任意の外部ファイルを統合することができます (詳細は wikipedia も参照して下さい、英語版の記事はこちら)。

注意

上記のような制約があるため、一般的に PDF/A ファイルの方が大きく、また生成に若干時間がかかります。同じ技術的制約から、元の文書と視覚的に「同一」でないこともあります。その一方で、PDF/A はあなたの用途に適応できる、PDF とは異なる特定の用途を提供します。

要約するとこういうことです: PDF/A は PDF より優れているわけでも劣っているわけでもありません。この 2つは似ているようで異なるフォーマットなのです。書き出す際にどちらを選択するかはあなた次第 です。

また、PDF/Aファイルの拡張子は .pdf のままであることにも注意してください! そのため、一見しただけでは PDF と PDF/A の違いはすぐにはわからないかもしれません!

PDF/A と 4D

4D では、4D Write Pro のドキュメントを PDF/Aフォーマットへのエクスポートは、他の機能と同様、インターフェースまたはプログラミングによって行うことができます。どちらのオプションも簡単で、最新のフォーマット (PDF/A-2 または PDF/A-3) を使用することができます。内部署名を除けば、これら 2つのフォーマットの主な違いは、PDF/A3 は外部ドキュメントをドキュメントに含めるのをサポートしていることです。これは将来便利になる機能と言えるでしょう。

インターフェース

PDF 書き出しダイアログには、PDF/A形式で書き出すオプション (2つのサブオプション付き) が追加されました。

プログラミング

PDF をプログラミングで PDF/A形式に書き出すのも簡単です。書き出しオプションでそれを指定するだけです。

$options:={}
$options[wk pdfa version]:=wk pdfa3
WP EXPORT DOCUMENT(WParea; $path; wk pdf; $options)

ファイルを開く、検証する

生成された PDF/Aファイルは、Adobe Acrobat Reader などのアプリケーションで開くことができます。Adobe Acrobat Reader なら、使用されているフォーマットを自動的に検出し、詳細を表示してくれます。

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生成されたファイルは、verapdf (https://demo.verapdf.org/) などの公式Webサイトでオンライン検証することもできます。

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まとめ

4D v20 R3 から利用できるようになったこの新しいオプションは、PDFアーカイブ規格を使用できるようにするだけでなく、近い将来、電子請求書を作成できるようにします! ご期待ください。

 

 

 

Roland Lannuzel
- プロダクトオーナー&4Dエキスパート -電子工学を学んだ後、産業用ITの分野で開発者兼コンサルタントとして、さまざまなデータベースやテクノロジーを使って顧客のためのソリューションを構築。80年代後半に4Dに惚れ込み、会計、請求書作成、メールシステムなどのビジネスアプリケーションの作成に4Dを使用してきました。現在も、新機能やデータベース開発ツールの定義など、4Dの未来を積極的に切り開いています。