セッションストレージへのアクセスを強化

クライアント/サーバー、Web、モバイルなど、様々なセッションタイプのストレージには情報を保存できるため、異なるプロセス間での再利用が簡単におこなえます。

4D 20 R6 では、特定のセッションのストレージにアクセスできるようになりました。この機能強化により、複数のセッションにまたがる同一ユーザーの情報について、連続性と一貫性を簡単に維持することができます。つまり、クライアント/サーバーや Web などの異なるアプリケーションを使用していても、同じ顧客情報を引き出せるということです。

HDI: セッションストレージの取得

新しいコマンド

新しいコマンド “Session storage by id” は、指定されたセッションID のストレージオブジェクトを返します。

$storage:=Session storage by id($id)

たとえば、別のセッションから、ID で定義されたセッションのストレージ内のテキストを変更する場合、次のように書けます:

#DECLARE($id : Text; $text : Text)
var $obj : Object
$obj:=Session storage by ID($id)
If($obj.settings=Null)
  Use($obj)
    $obj.settings:=New shared object("text"; $text)
  End use
Else
  Use($obj.settings)
    $obj.settings.text:=$text
  End use
End if

この HDI が実際に使用されている様子は下のビデオでご覧いただけます。ぜひ、ご自身でもダウンロードしてその機能をお試しください。

具体的なケース

クライアント/サーバーアプリケーションがあり、Qodly を使って機能を拡張しています。これらの異なるセッション間の情報交換は、プラットフォーム間をユーザーが簡単に移動できるようにするために不可欠です。

  1. セキュアなデータ共有を保証するには、接続されたユーザーの身元を確認するための強固な認証対策が不可欠です。
  2. “Get process activity” コマンドは、ユーザーと、ユーザーのセッションID のリストを提供し、ユーザーセッションの効率的な追跡と管理を可能にします。
  3. 共有オブジェクトと “Sesssion storage by ID” コマンドを使って、同じユーザーに関わる各セッションのセッションストレージの変更を反映させます。こうして、まとまりのある同期化されたユーザーエクスペリエンスを実現することができます。

次は

ユーザーセッションの管理についての詳細は、ドキュメントを参照してください。

ご質問やご意見があれば、フォーラムにお寄せください。

Vanessa Talbot
- プロダクトオーナー - Vanessa Talbotは、2014年6月に4Dプログラムチームに参加しました。プロダクトオーナーとして、彼女はユーザーストーリー(ユーザーが期待する新機能とその使用法)を書き、それを具体的な機能仕様に変換する役割を担っています。また彼女の役割は、実装された機能が顧客のニーズを満たしているかどうかを確認することでもあります。入社以来、4Dにおける主要機能の定義に関わってきました。プリエンプティブ/マルチスレッドの新機能の大部分と、非常に複雑なテーマである組み込みアプリケーションの新アーキテクチャに取り組んできました。VanessaはTelecom Saint-Etienneで学位を取得後、Criminal Research Institute でオーディオビジュアル部門の開発者としてキャリアをスタートさせました。また、メディアや医療の分野でも、技術サポートやプロダクションの分野で働いてきました。