4D Write Pro – 新しいピクチャーフォーマット

4D v19 R2 より、4D Write Pro ドキュメント内のインラインおよびアンカー画像に、新しいフォーマットタイプが適用されます。

また、ドキュメント、セクション、段落などの背景として使用される画像をフォーマットするのがより簡単になりました。

これらの機能の強化について、詳しく説明します。

インラインとアンカー画像のフォーマット

デフォルトでは、画像は常に、フレームで定義されたエリアを完全に埋めるようにフォーマットされます。これは “非比例” (合わせるようにスケール) モードで、画像に縦横比を強制するため、画像が大きく歪んでしまう可能性があります。

新しい wk image display mode 属性のおかげで、他の表示モードも可能になりました。4D デベロッパーとして、これらの可能な値は、おそらく馴染みのあるものでしょう。7つの表示モードが提供されています:

  • 合わせるようにスケール (デフォルト)
  • トランケート
  • トランケート (中央合わせ)
  • プロポーショナル
  • プロポーショナル (中央合わせ)
  • 繰り返し
  • 繰り返し (中央合わせ)

 

これらのモードは、それぞれ特定のニーズに対応するものです。たとえば、プロポーショナル (中央寄せ、中央寄せなし) では、高さと幅を自由に設定されたフレーム内に、縦横比を維持した画像を収めます (画像が歪むことはありません)。

フォーマットの設定は、ドキュメントのコンテキストメニューや、プログラミングによっておこなうことができます。

例題

ドキュメントのヘッダーには、会社のロゴ画像が含まれています。この画像は、画像を返すフォーミュラから作成されています。その画像のサイズは不明ですが、縦横比を維持しつつ、幅 2cm x 高さ 2cm の画像にしたいと思います。

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// ID ("logo") に基づいて画像を取得します
$pictElem:=WP Get element by ID(WParea; "logo")
// 表示モードと寸法を適用します
WP SET ATTRIBUTES($pictElem;\
 wk image display mode; wk proportional centered;\
 wk width; "2cm";\
 wk height; "2cm")

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背景画像のフォーマット

これらのフォーマットはすべて、ドキュメント (またはセクションや段落など) の 背景 に使用される画像に対して、すでに利用可能でした。しかし、希望する結果を得るためには、最大6つの属性を変更する必要がありました。

幸いなことに、新しい属性 wk background display mode のおかげで、この設定が簡単にできるようになりました。この属性は “抽象的な” 属性で実際には存在しませんが、表示モードを設定するために必要な属性を一括で変更してくれます。

例題

ある段落に背景画像を設定し、その画像が段落の幅と高さに合う必要があるとします。

 

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そのためには、次のようなコードを実行できます:

WP SET ATTRIBUTES($paragraph;\
 wk background width; "100%";\
 wk background height; "100%";\
 wk background repeat; wk no repeat;\
 wk background origin; wk padding box;\
 wk background position horizontal; wk left;\
 wk background position vertical; wk top)

しかし、これからは次の 1行で上と同じ結果になるのです!

WP SET ATTRIBUTES($paragraph; wk background display mode; wk scaled to fit)

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まとめ

wk image display mode 画像属性はインラインやアンカー画像に新しい可能性を与え、wk background display mode は背景をフォーマットするコードの作成を簡素化します。

これで、今まで以上に美しく、プロフェッショナルなドキュメントを作成することができるようになりました!

Roland Lannuzel
- プロダクトオーナー&4Dエキスパート -電子工学を学んだ後、産業用ITの分野で開発者兼コンサルタントとして、さまざまなデータベースやテクノロジーを使って顧客のためのソリューションを構築。80年代後半に4Dに惚れ込み、会計、請求書作成、メールシステムなどのビジネスアプリケーションの作成に4Dを使用してきました。現在も、新機能やデータベース開発ツールの定義など、4Dの未来を積極的に切り開いています。