4D v16 R6での新機能

共有オブジェクトとコレクション

4D v16 R6 では共有オブジェクトおよび共有コレクションという新しい概念を導入します。これらはインタープロセス変数に対する代替となるもので、プリエンティブプロセス間での情報の共有を効率的かつ簡単に行うことができます。共有オブジェクトおよびコレクションは標準のものと同じように振る舞いますが、初期化の際にNew shared object および New shared collectionを使用して”共有”であると宣言する必要があります。初期化が完了すると、他の変数同様に、直接使うことが可能になります。書き込みあるいは編集する際には、Use および End use キーワードでくくられている必要があります

コレクションを操作

コレクションの操作は、現在プレビューとして提供されているオブジェクト記法を使用することによって、大幅に強化されました。後述のメソッドを使用することで、例えば要素を追加・削除したり、コレクションを並べ替えたり、といったことが可能になります。4D v16 R6ではすでに40を超える新しいメソッドが用意されています。ほんの一部をご紹介しましょう:poppushconcatresizequeryslice、…

動的なフォーム

4D v16 R6では、プレビュー版として、動的なフォームの作成と使用が可能になっています。テキストベースのフォーマット(JSON)として保存することで、様々な新しい可能性を秘めていると言えます:エンドユーザーのコンテキストに合わせて完全に適合したフォームの作成、複数のデータベース間で同じフォームを共有する、など。フォームの詳細を記したテキストは、4Dオブジェクト、あるいはファイルに保存することが可能です。そしてランタイムにおいて、その4Dオブジェクトあるいはファイルからフォームを読み出すことができます。以下のコマンドは、4DオブジェクトあるいはJSONファイルパスを受け取れるように改善されました: Open form windowDIALOGFORM SET INPUTFORM SET OUTPUTOBJECT SET SUBFORMOBJECT GET SUBFORMFORM LOADPrint form および Current form name

オブジェックト内部の日付

オブジェクト内では日付を、文字列としてだけでなく日付として設定できるようになりました。これにより、オブジェクト内部での日付の使用がより簡単に、より直感的にできるようになりました。また、OB SETおよび OB Getis date定数なしで使用することができ、またオブジェクト記法を他の一般的なオブジェクト同様に適用することができるようになりました。オブジェクト内部で日付を使用するためには、データベース設定の互換性タブから“オブジェクトではISO日付フォーマットの代わりに日付型を使用する”オプションをチェックするだけです。

4D Write Pro

絶対位置でのピクチャー

4D v16 R6では、ドキュメント内での特定の位置へのピクチャーの挿入を完全にコントロールできるようになりました。テキストの前面あるいは背面に挿入することや、あるいはページやドキュメントの特定の部分(例:ヘッダー、フッター、セクションなど)にアンカーすることも可能になりました。新しい WP Add pictureコマンドを使用することでページにピクチャーを追加でき、絶対位置などの他のプロパティを設定するためには、 標準アクションを使用するか、 WP GET ATTRIBUTES および WP SET ATTRIBUTEコマンドに追加された新しいセレクターを使用することで設定できます。

Tabで先頭文字を使用する

4D Write Proではデザインを細部まで指定できるようにするための追加の機能が提供されています:先頭文字(例えば表や目次などで繰り返し使われる文字以外の文字)です。先頭文字は既存のタブのルーラーエリアをクリックしたコンテキストメニューを通して管理するか、あるいはWP SET ATTRIBUTEコマンドと新しいwk tab stop leadingsセレクターを使用することでプログラムによって管理することができます。

4D view Pro

4d view ドキュメントを4d view proへと変換する

4D v16 R6では、既存の4D Viewドキュメントを4D View Proへと変換する最初の手順をプレビューとして提供しています。新しい VP Convert from 4D Viewコマンドのおかげで、4D View ドキュメントに保存されている大部分のプロパティおよび情報は、ドキュメント構造、値、フォーマット、スタイル、境界線、フォーミュラなどを含めて自動的に変換されます。

セキュリティ

4D web サーバーでのPFSの有効化

4D v16 R6以降、4D Webサーバーのデフォルトのセキュリティは、Perfect Forward Secrecy(PFS)をサポートすることで強化されました。この実装によりお使いのアプリケーション一部のネットワークセキュリティ機能により準拠するようになっただけでなく、Webセキュリティ監査テストでも好成績を収めることができるようになります。PFSは、サーバー上でTLSを有効化すれば自動的に利用可能です。 WEB Get server infoコマンドを使用することで、PFSが有効化されているかどうかを確認することができます。PFSを使用するのに必要な条件がすべて揃っていれば、新しいperfectForwardSecrecy属性の値は常にtrueを返します。

RC4アルゴリズムは4D Webサーバーではいくつかの既知のセキュリティ問題から廃止予定であるという点に注意してください。

最後のデータベースバックアップを自動的に復元する

データを破損から防ぐため、新規に作成されたデータベースでは、データベース設定の“バックアップ”タブの“データベースが壊れていたら、最新のバックアップから復元する”オプションがデフォルトでチェックされています。これにより、最高レベルの保護を提供することができます。

ファイルとフォルダの拡張子の管理の改善

ファイルとフォルダパスの管理を容易にするために、二つの新しいコマンドが作成されました。Path to objectコマンドは引数として渡したパスの特定のプロパティ(親フォルダ、ファイル名あるいはフォルダ名、ファイル拡張子あるいはフォルダ拡張子)を格納しているオブジェクトを返します。Object to pathコマンドは引数として渡されたオブジェクト属性からパスを生成します。そのため、新しいパスを作成するためには、必要なオブジェクト属性を変更し、それを再度組み合わせるだけです。

 _o_Document type and _o_SET DOCUMENT TYPE といった古いコマンドが使用されている箇所では、これらの新しいコマンドで置き換えるようにしてください。

オブジェクト属性でのコード自動補完・サジェスト

メソッドエディターは、オブジェクト属性に対しコード補完を提供するように改善されました。コーディングの速度を上げ、打ち間違えやタイプミスを防ぐために、オブジェクトの後にドットが打ち込まれた場合には属性の一覧のサジェストが表示されるようになりました。自動補完機能は“環境設定”パネルからカスタマイズ可能で、ドット文字が打ち込まれた時に自動的にサジェスチョンリストを表示する(デフォルトの動作)か、tabキーが打ち込まれたあとにのみリストを表示する(チェックされていない)かを定義することができます。

ログファイルへの簡単なアクセス

Get 4D fileコマンドは、ログファイルへと簡単にアクセスできるように改善されました。すべてのログを格納したフォルダを取得したりせずに、特定のログファイルを簡単に探し出すことができます。このコマンドように、いくつかの新しいセレクターが新しく設定
されました: Request log fileDebug log fileBackup log fileVerification log fileCompacting log fileRepair log fileHTTP debug log file および Build application log file

 

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