4D v18 R2での新機能

プロジェクトデータベース

改善されたフォームエディター

フォームエディターを使用して、オブジェクトが複数のビューに配置されていてそれらを必要に応じて表示/非表示を切り替えることができるような複雑なフォームをビルドすることができるようになりました。フォームエディターのユーザーエクスペリエンスは4D v18 R2 において大幅に改善されたからです。フォームエディターツールパーにあるボタンをクリックするとビューパレットが開くため、ビューが使用されているかどうかを瞬時に知ることができます。

プロジェクトデータベースでは、このボタンは2つの異なる状態を持っています:

  • ライトグレーの枠線: 全てのオブジェクトはデフォルトのビューに属しています
  • ダークグレーの実線: 少なくとも1つのオブジェクトがデフォルトビューではないビューに属しています

同時に、フォームデザインをシンプルにするために、いくつかのアクションが提供されています。例えば、初期状態ではビューは1つ(デフォルトビュー)しか作成されません。ここから必要に応じてビューを好きなだけ追加することができ、オブジェクトをそこに移行していくことができます。作業する特定のビューを選択するだけでなく、あるビューが不要になれば(例: オブジェクトが何も含まれなくなる等)、それを削除することもできます。

 

プログラミング関連の機能

作業エリアを管理する

4D v18 R2 以降、macOS dock やWindows のタスクバーなどのグラフィックシステム要素が考慮されるようになったので、「利用可能な」作業エリアを全て使用することができるようになりました。SCREEN COORDINATES コマンドに、任意の引数 Screen work area が追加されました。この方法なら、アプリケーションウィンドウが確実に視認可能なエリア内にあることが分かります(特にWindows でのSDI モードのときに重要です)。

 

ログファイルにユーザーエイリアスを記録する

SET USER ALIAS コマンドは4D v18 R2 で改善され、誰がその作業を行ったかがわかるようになりました。エイリアスが設定されている場合、それもログファイルに記録されるようになりました。これにより、複数のユーザーが同じコンピューター/システムアカウントを共有している場合でも、ユーザーを正常に取得することができるようになります。ユーザー名は以下の箇所に表示されます:

  • MSC のアクティビティ解析とロールバックタブ
  • CHECK LOG FILE コマンドで表示されたダイアログ
  • LOG FILE TO JSON コマンドで生成されたJSON ファイル内

 

Eメール

POP3でEメールを受信

4D v18 R2 ではEメールを受信するための最初の部分を提供しています。新しいPOP3 New transporter コマンドを使用すれば、メールをローカルにダウンロードしたあとにそのメールをPOP3 経由でメールサーバーから削除することができます。Post Office Protocol (POP) とは、メールサーバーからメールを取得するためのインターネット規格プロトコルです。この規格は、POP3 サーバーに接続する、メッセージを取得して自動的に処理する(ローカルのデータベースに保存する)、それらのメールをサーバーから削除する、などのアクションのためには有用です。これに加えて、Eメールを扱うための複数のメソッドが追加されています:

  • getMailInfoList(): メールボックス内にある全てのメッセージについての情報を返します。
  • getMailInfo(): 単一のメッセージに関する情報を返します。
  • getMail(): getMailInfoList() から返されたメッセージ番号を引数として渡すことで、特定のメッセージをダウンロードできます。
  • delete(): セッションが閉じられる時に削除する特定のメッセージにフラグを立てる(指定する)ことができます。
  • getBoxInfo(): メールボックス内にあるメールの数と、メールボックスのサイズを返します。
 

4D Write Pro

ドキュメント内のフォーミュラを管理

4D v18 R2 には4D Write Pro ドキュメント内のフォーミュラを管理するためのコマンド群を揃えています:

  • WP Get formulas: 特定のターゲット(ドキュメント自身全体に加えて、本文、第2セクション、左ページヘッダーなどの特定の部分)内にある全てのフォーミュラを取得します。
  • WP Insert formula: 任意のレンジに対して、式をフォーミュラとして挿入します。
  • WP Compute formulas および WP Freeze formulas: 非常に近い使い方が可能です(例: ターゲットを使用するなど)。ドキュメント全体の式を再評価したり、あるいは単にフッターに属する式のみを固定化するなどの使い方ができます。

 

ピクチャーを削除する

WP DELETE PICTURE コマンドを使用することで、インライン画像やアンカーされた画像を削除することができるようになりました。IDを使用して削除したいピクチャーを取得する(WP Get element by ID)か、あるいはその位置を使用して取得する(WP Get elements)ことで、コマンドを呼び出して削除することができます。

4D View Pro

行とカラムを管理する

4D v18 R2 ではカラムと行を管理する新しいコマンドが追加されました。これらのコマンドを使用すると、ドキュメントをより必要に応じて調節することが可能になります。以下のコマンドを使用することにより、カラムと行を追加、削除したり、サイズや表示状態を取得したり、定義したラベルをヘッダーに割り当てることができます:

  • VP INSERT ROWS または VP INSERT COLUMNS: 最初のカラムまたは行を含んだレンジと、追加する数を渡すことで、カラムまたは行を追加することができます。
  • VP SET COLUMN COUNT または VP SET ROW COUNT: 表示されるカラムと行の数を定義することができます。デフォルトでは、4D View Pro シートには100本のカラムと1000行の行が格納されています。
  • VP DELETE ROWS または VP DELETE COLUMNS: 特定のカラムまたは行を削除します。
  • VP SET COLUMN ATTRIBUTES または VP SET ROW ATTRIBUTES: カラムの幅や行の高さを指定したり、印刷用の改ページを追加したり、カラムや行を表示したり非表示にしたり、ユーザーによりカラムまたは行のリサイズを許可/禁止したり、カラムまたは行のヘッダーラベルを変更したりできます。

行またはカラムの表示を固定化する

4D v18 R2 に追加されている新コマンド、VP SET FROZEN PANES を使用することで、ペイン(固定化されたエリア)を作成することができます。データの巨大な表がある場合、ワークシートをスクロールしていっても特定のエリアを常に表示し続けることで見やすくなります。このコマンドを使用すると、ワークシート内に最大4つのペインを作成することができます。シート左側、上部、右側、下側の4箇所です。

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