4D v16 R2での新機能

キャッシュマネージャー優先度コントロール

4D v16 以降、4D 64-bitには、キャッシュメモリ内のオブジェクトの自動優先度管理機構に基づいた、完全に最適化されたキャッシュマネージャーが含まれます。4D v16 R2では、キャッシュメモリ内にあるオブジェクトのキャッシュ管理を完全にコントロールすることができ、より細かな微調整が可能になります。.

より細かな使用や特定の場合のために、次の二つの4Dコマンドのセットを使用してキャッシュ優先度をカスタマイズすることができます:

 

VMWare vSphere (Hypervisor ESXi) と Windows Server 2016 のスナップショットのサポート

Windows用64-bit版4D ServerではEnterprise仮想化ストラテジーとより統合がすすめられました。今後はVMWare ESXiとWindows Server 2016のように、ボリュームシャドウコピーサービスに基づいたバーチャルマシンスナップショットがサポートされるようになりました。これは、管理者がスナップショットを開始した時、バーチャライザー(例えばVMWareなど)はWindows ServerなどのゲストOSにそれを知らせ、ゲストOSはそれを4D VSS Writerに知らせ、結果的に4D Serverにスナップショットが行われようとしているということを知らせます。これにより4D Serverはスナップショットが行われている間、自分自身を”安定した”状態に置きます。

Windows用64-bit版4D Serverの管理ウィンドウには”Volume Shadow Cope”ラベルが追加され、これによりVSS Writerサービスが正常に実行されているかどうかをいつでもチェックすることができます。

4D Write Pro 水平ルーラー

4D Write Proエリアで水平ルーラーを使って余白やインデントを調整し、ご自分の4D Write Proドキュメント内のテキスト、グラフィック、タブや他の要素の水平方向の並びを調整しましょう。

リストボックスのセレクションハイライトカラーの管理

背景色やフォントカラーに様々な異なる色を仕様しているリストボックスは、自動セレクションハイライトとは相性が悪いかもしれません。なぜならそれはOSの設定に依存するからです。今後はそれぞれの行、あるいはそれぞれのセルごとに、専用のハイライトカラーを管理することが可能になります。

リストボックスのプロパティリストに新しいオプションが追加されました。セレクションハイライトを非表示です。このオプションがチェックされている時、デベロッパーは利用可能なインターフェースオプションを使用してリストボックスのセレクションを表示状態にする必要があります。その後、選択された行の外観をカスタマイズするために、プログラミングによって特定の背景色、フォントカラーやフォントスタイルを定義することができます。これは表示されているリストボックスのタイプ(セレクションあるいは配列)によって、配列または式を使用することで定義可能です。

プログラミングによってリストボックスをより細かく管理することが可能に

プログラミングによってリストボックスを管理するコマンドは、それこそほぼ全ての要素を管理できるほど既にたくさんありましたが、一部のものに関しては事前にしか調整できないものもありました。4D v16 R2では、20以上のリストボックスプロパティがコードによって操作可能となり、これによってリストボックスの動的な使用ができるようになりました。

プロパティリスト内にある全ての利用可能なプロパティは、2つのコマンドを使用して取得、あるいは設定できるようになりました。LISTBOX SET PROPERTYLISTBOX Get propertyです。LISTBOX Get propertyは、LISTBOX Get information に名称が変更されたという点にご注意ください。

オブジェクトを使用したより柔軟な開発が可能に

関連付けられた引数を使用してオブジェクト内の配列を検索することが可能になりました。QUERY BY ATTRIBUTE コマンドは新しくなり、単一のオブジェクト内において要素の一覧の内部に対して複雑なクエリを実行することが可能になりました。配列属性の内部を、AND演算子で結合された複数のクエリ条件で検索する場合、検索条件が要素に関わらず少なくとも一つ合致するレコードを取得するか、同じ要素で合致するレコードを取得するかを選択することができるようになりました。

オブジェクト属性でレコードを並べ替え

例えばリストボックス内などでセレクションを表示する際、特定のオブジェクト属性に基づいてレコードを並べ替えることが、ORDER BY ATTRIBUTE コマンドによって容易になりました。

クイックレポートエディター内のクロステーブル

64-bit版クイックレポートエディターではリストレポートに加えてクロステーブルレポートをサポートするようになりました。これにより、エンドユーザーがレポートのデザインをする際のユーザーエクスペリエンスがよりスムーズになります。クロステーブルモードでは、レポートをピボットテーブルとして表示することが可能になります。32-bit版4D製品で過去に作成した既存のテーブルを開くことも引き続き可能であるという点に注意してください。

進化した”デザインモードを検索”ダイアログ

新しいデザインに加え、ダイアログ画面には結果ウィンドウに関連した二つの新しい機能が備わりました。一つは、実行中の検索を中止することができる新しいボタンが追加されたことです。また、新しいフィルターオプションによって、検索結果から必要な要素だけを選択し、それらを残して他を全て削除することができるようになりました。

MSCの情報量が増加

MSC(メンテナンス&セキュリティセンター)カラ、全テーブルのレコード数の合計や、各テーブルのアドレステーブルサイズなどの新しい情報がアクセスできるようになりました。また、データベースについての全ての情報が、メンテナンスモードでも標準モードでもアクセス可能になりました。

Tables タブにおいては、新しいアドレステーブルサイズカラムが追加されています。この新機能によって、テーブルごとのアドレステーブルのサイズやレコード数の違いをチェックすることが容易になりました。ここでの差が大きかった場合、アドレステーブルを圧縮することが推奨されます。なぜならそれによってアプリケーションの実行速度が顕著に早くなり、データを軽くすることができるからです。

またそれに加えて、Tables タブ内のリストボックスのフッターにはテーブル数と、全テーブルのレコード、フィールド、インデックス、そしてアドレステーブルサイズの合計が表示されます。

また利便性のために、情報ページのプログラムタブ内にログファイルへのパスが追加されました。

Webエリアの新レンダリングエンジン

より良いユーザーエクスペリエンスと新しいHTML機能のサポートのために、4Dは64-bit版において埋め込みWebエリアオブジェクトの内部コンポーネントをBlinkへとアップデートします(BlinkはGoogle Chromeでも使用されています)。Blinkは既存のレンダリングエンジンにおいてもっとも現代的でメンテナンスが行き届いているレンダリングエンジンです。

このBlinkフレームワークへの移行においては、アプリケーションにおける一切のコードの書き換えは不要で、Webエリアを使用するあたって何の変化もありません。埋め込みWebエリアに対する全てのコマンドッやイベントは、一部の設定を除き、以前と同じです。これらの設定はサポートされておらず、今後は無視されます。

埋め込みWebレンダリングエンジンを使用オプションがチェックされている場合、4Dは32-bit版ではWebKitを使用し、64-bit版ではBlinkを使用します。

新しいTimestampコマンド

新しくなったTimestamp コマンドでは、ミリ秒を含めた正確なUTCタイムスタンプを取得することができます。これにより、地球上異なる場所で実行されている近接したオペレーションにおいても、正確なタイムスタンプを行うことが可能になります。これにより、あるイベントがいつ発生したのかを、ログから正確につきとめることができるようになります。

Windows用64-bit版4D Developer Edition および4D Volume Desktop

4D v16 R2において、4Dは大きなマイルストーンに到達しました。それは、Windows用4D Developer Editionおよび4D Volume Desktopがついに”最終版“としてリリースされ、製品としての準備が整ったことです。.

64-bit版の4D Developer Editionおよび4D Volume DesktopからはAlturaのMac2Winが全て完全に削除され、これによってこれらの製品は現代的なWindowsのAPIを使用することができるようになりました。32-bit版4Dと64-bit版4D Serverは、実質的には64-bit版ではないサードパーティプラグインをサポートするために、引き続きMac2Winを使用しています。

64-bit版4D Developer Edition 64-bitではモダンで新しいラベルエディタークイックレポート、および読み込み・書き出しダイアログを使用できます。これらは直感的に、かつ容易にご利用いただけます!

また、コンピューター上で同じ64-bit版4D Developer Editionを、二度インストールをすることなく、複数のインスタンス、あるいはコピーを実行することが可能です。

Want to know more? Read all blog posts about 4D v16 R2!